平成28年度愛知県精神保健福祉士協会大会(宿泊研修会&実践報告会)開催のお知らせ
愛知県精神保健福祉士協会大会(宿泊研修会&実践報告会)を下記の日程で開催いたします。
日時:平成29年2月18日(土)・19日(日)
場所:あいち健康プラザ
愛知県知多郡東浦町大字森岡字源吾山1番地の1
開催概要・申込用紙はコチラから
演題及びテーマ一覧はコチラへ
2016年12月17日 7:07 PM
愛知県精神保健福祉士協会大会(宿泊研修会&実践報告会)を下記の日程で開催いたします。
日時:平成29年2月18日(土)・19日(日)
場所:あいち健康プラザ
愛知県知多郡東浦町大字森岡字源吾山1番地の1
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2016年12月17日 7:07 PM
平成28年8月12日
愛知県精神保健福祉士協会
会長 池戸悦子
相模原市の障害者施設の事件について意見
平成28年7月26日に発生した相模原殺傷事件にあたり、被害にあわれた当事者、ご家族には深く哀悼の意を表します。
この事件後、センセーショナルな事件としてマスコミ報道が行われ、また各障害者団体、医療、福祉分野より様々な意見表明がなされています。公益社団法人日本精神保健福祉士協会(当県協会は、日本協会の愛知県支部としても兼ねている)の意見表明もすでになされているので掲載いたします。並んで、県協会としての意見も表明させていただきます。
この事件で私たち精神保健福祉士は、犯人のもつ障害者を排除する思想には真っ向から反対することを強く意見表明したいと思います。精神障害という生きづらさをもった人たち等へ関わることを通して、精神障害者等の自立と社会参加に寄与するという私たちの仕事とは全く相反する考え方であり、このような思想が社会に蔓延しないよう望むものです。
また、措置入院制度に関する検討が国レベルで、この平成28年8月10日より開始されたと言われています。犯人が精神障害者であったのかの検証を含め司法と精神医療の枠組みについての線引きをして、役割を明確化することが求められていると考えます。精神障害者の隔離強化や権利侵害にならず、地域移行後のケアの充実に力を注ぐべきであり、街で暮らす人々と共に暮らせる、理解のある社会作りこそ追求されるべきと考えます。
さらに、安全という観点において、障害者総合支援法等の枠組みの施設等では、特異な事件や災害などにきちんと対応できる施設運営を検討していくことも必要と考えます。
今後、国レベル、県レベルでもこの事件の再発防止に関することが議論されると考えられます。会員の皆様にはそれぞれの現場や地域において議論や意見交換があった場合、精神障害者の権利擁護を肝に銘じ事にあたっていただきたいと思います。また、広く国民、県民の皆様には冷静な判断や対応をお願いしたいと思います。 以上
平成28年7月28日
公益社団法人日本精神保健福祉士協会
会長 柏木一惠
障害者入所施設における殺傷事件に関する見解
このたびの神奈川県相模原市の障害者入所施設「津久井やまゆり園」で発生した事件により、不幸にして亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますとともに、ご家族の皆様には衷心からお悔やみ申しあげます。また、負傷された方々の1日も早いご回復を心よりお祈り申しあげます。
今回の事件が障害者入所施設で発生し、被疑者が当該施設の元職員であったことは、障害者の生活支援を担う私たち精神保健福祉士をはじめとする関係者に計り知れない衝撃を与えました。
事件は未だ捜査段階にあり、事実関係は明らかではありません。しかし、多数の犠牲者が出た悲惨な事件として社会的な反響が大きく広がっていることに鑑み、本協会は、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進める専門職能団体として、現段階での見解を表明いたします。
1.被疑者による行為は、人としての尊厳を著しく踏みにじるものであり、いかなる理由を弄しても断じて許されるものではありません。報道を通して知りうる被疑者の断片的な発言に通底しているのは、障害を併せもつ人々に対する根深い偏見や差別意識であり、憤りを禁じ得ません。さらに、ごく一部とはいえインターネットを介して同様の発信がなされており、社会全体に排除や排他の思想が蔓延していくことを危惧し、深い憂慮の念を抱くものであります。
2.今回の事件報道は、2001年に発生した大阪・池田小学校事件をも想起させます。この事件では、犯人の措置入院を含む精神科治療歴や過去の精神病診断歴がいち早く報道されたものの、後に詐病であったことが明らかとなりました。
いうまでもなく、措置入院の対象は、医学的正当性のある明確な判断根拠に裏付けられた精神病患者です。しかしながら、今回の事件においては、犯行と精神疾患との因果関係は不明であるにもかかわらず、あたかも精神疾患が事件の原因であるかのような印象を与える報道がなされています。このことは、精神疾患のある人は危険であるとの偏見を煽ることに繋がりかねませんし、精神疾患や障害を抱えている人々が受ける精神的苦痛や打撃の大きさも懸念されます。
報道関係者には、真実に基づき正確かつ慎重な発信を要望するとともに、全ての国民の皆さまには報道に惑わされることのないよう、冷静な反応を切に願います。
なお、報道によると、厚生労働省は措置入院の制度や運用について、見直しを検討する方針を示しています。精神保健福祉にかかわる専門職団体として本協会は、措置入院制度の問題に関して改めて見解等を公表することといたします。
平成28年8月8日
公益社団法人日本精神保健福祉士協会
会長 柏木一惠
措置入院制度の見直しの動きに関する見解
7月26日に発生した神奈川県相模原市の障害者入所施設「津久井やまゆり園」における殺傷事件(以下「本件」という。)の被疑者に精神保健福祉法第29条に規定されている都道府県知事による入院措置(以下「措置入院」という。)の受療歴があったことは既にマスコミ各社から報道されている。
本件の犯行当時、被疑者に治療の対象となる精神疾患が生じていたか否かについては、未だ明らかではない。被疑者が障害者を暴力的に社会から排除する思想を持つことと精神疾患との因果関係が十分に検証されていない現段階において、あたかもこの犯罪がその影響であることを肯定するかのように、政府は措置入院制度の見直しを表明している。
こうした動きに対して、精神障害者の社会的復権、権利擁護を目的として活動する本協会は、精神保健福祉法が本来の趣旨とは異なり、法改正の論点が専ら犯罪予防に偏った方向で進行することに危機感を覚え、見解を表明するものである。
1.政府が表明している措置入院制度の見直しについては、精神科医療が社会防衛装置として機能し得ないことを確認したうえで、精神障害者にとって適切な医療の確保と福祉の増進等を図ることを目的とした精神保健福祉法の趣旨に則り行われるべきである。検討に際しては、自傷他害の要件の厳正化・標準化、治療可能性等の診断基準を明確化し、不適切な医療が行われないよう通報から措置入院に至る流れを再点検する必要がある。現状に鑑みると、措置入院の要件である「自傷他害のおそれ」に対する認識が全国的に標準化されないまま運用されており、大きな自治体間格差が生じている。暮らす地域によって受けられる精神科医療が違うことは、人としての尊厳や権利が侵害される可能性があることを意味する。[※]
また、心神喪失者等医療観察法と精神保健福祉法上の措置入院の使い分けの曖昧さや、先に改正された医療保護入院制度と比較して手薄な退院支援の仕組みといった課題についても十分に検討する必要がある。併せて、1950年の精神衛生法の立法段階から、精神障害者は危険であるとの意識を市民に植え付けてきた治安的色彩を帯びるこの法規定自体の抜本的な見直しに、今こそ着手すべきである。
2.報道では、措置入院の患者を退院させたこと自体に対する批判のみがクローズアップされている。そもそも、精神保健福祉法の趣旨に沿えば、措置入院患者に対する正確な診断と適切な治療が精神科病院の本来の職務である。安易な措置入院制度の見直しは、精神科病院が新たな犯罪予防及び隔離政策のための施設として位置づけられ兼ねない。司法による犯罪防止活動と精神科医療の役割は全く異質なものであることを強調しておきたい。
また、本件を契機に、精神障害者が本件と同様な事件を起こす危険性が高いのではないかという偏った認識が国民に助長されることがないように、引き続き、報道各社には適正な報道に努めていただくことをお願いしたい。
本日、厚生労働省に「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」が設置されることとなった。被疑者による明らかな犯行予告を幾度もされたうえで起きたこの事件に関して、行政や警察の判断や動きが適切かつ充分なものであったのか、通報を受けて精神保健福祉法の適用へと判断せざるを得ない行政としての役割限界があったのか否か等々について、早急に検証される必要がある。
本協会は今後、精神科医療及び保健そして福祉に携わる全ての専門職の方々と議論を重ね、一致団結し、歴史的災いを契機に、日本の精神科医療や福祉の発展に繋がる歩を共にしていきたいと切に望むものである。
[※]例えば、平成26年度衛生行政統計の結果をみると、精神保健福祉法23条通報(警察官通報)を受理した都道府県及び政令指定都市が措置診察にかける割合は1.0%から100%の大きな開きがある。
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2016年8月13日 11:36 AM